アイデアをどうデザインする、実践型プロジェクト
情報大では、世界基準の工学教育フレームワークとして開発されたCDIO=Conceive(構想)、Design(設計)、Implement(実装)、Operate(運用)の考え方を取り入れています。自治体や企業などと実践的なプロジェクトを通じ、問題の把握・分析から、課題の定義、具体的な施策の設計・デザイン、実装〜持続的運用と、ビジネスシーンにおけるプロセスを学んでいきます。 |
経営情報学科×情報メディア学科

藤本(経営情報学科): 私のゼミでは、社会課題の最前線にある「地域」に目を向け、少子高齢化による担い手不足や、地域活性化を支援するためのプロジェクト活動を行っています。例えば、イベントの企画運営をしたり、地域自治会のDXに取り組んでいます。また、人気ゲーム「マインクラフト」の仮想空間に江別市の街並みを再現しました。今後は、観光プロモーションやまちづくりのイベントで継続的に活用することを検討していきます。
安田(情報メディア学科): 私のゼミでも企業などと連携し、プロジェクト活動を通して学んでいきます。
私の専門はUI/UXデザインですが、学生を学外に連れ出し、ユーザーがそこで何を感じ、どこに課題があるのかを学生自身が発見することから始めます。そして、その課題を解決するアイデアを考え、カタチにしていくことを実践しています(デザイン思考) 。「体験」をどのようにデザインしていくかという点が、まさに「人間中心」の考え方のUI/UXデザインなんです。

ノーコード時代、技術の障壁を超えアイデアをカタチにする力
藤本: 私の専門の公共政策や経営情報学は、現状を把握して課題を抽出し、解決の方向性を示すところまでの、プロジェクトの上流領域が得意です。情報メディア学科が持つ実装力と、私たち社会科学系の視点がコラボレーションすることで、課題の発見から運用まで一貫して実現できると考えています。そのプロセスの中で、学びのクオリティもより高まっていくと思います。
安田: 情報メディア学科は、ウェブ・紙媒体・広告・ゲーム・動画など、さまざまなアウトプットを得意としています。学生には、質の高いアウトプットをするために上流工程の意図を理解しつつ、実装していく力を身につけてほしいなと思います。
一方で、ディレクターやプロデューサーなどのキャリア形成には、上流領域の力が必要となるので、イノベーション教育にも力を入れています。
藤本: 今はノーコードやローコードでシステム構築ができるので、経営情報学科の学生もアウトプットできる技術や知識を身に付け、提案して終わりということではない幅の広がりを目指したいと思っています。
安田: 本当にその通りですね。
藤本: コラボではないですが、経営情報学科が行なっているビジネスプランのコンテストで上位入賞したチームに、情報メディア学科の技術を持った学生とプロトタイプを作って実装するまでを行う、2日間ぶっ通しの「コネクト(ハッカソン)」という取り組みがありますよね。優れたビジネスプランが提案だけで終わらず一気に開発まで、それはすごい密度でアウトプットを出してくれています。
安田: 実際社会に出ると、一人で完結する仕事はほとんどなく、いろんな役割の人がチームでやっていきますよね。「コネクト」は、ビジネスプランを考える役割、実装する役割の人たちがチームで取り組むという点でも、大切な体験だと思っています。
2050年、リアルとサイバーの融合で自分らしく生きる
安田: 2050年には、体験というものがもっとサイバーチックになってくると思います。
例えば学生が大学に来なくても、大学に来ているのと同じような体験が実現できるかもしれません。キャンパスというものの概念が広がって、物理的な距離を超えて、VRなど仮想空間の大学に分身ロボットが通学して、脳が直接アクセスできるようになるかもしれませんね。
体験に関するさまざまな制約が取り払われると、身体的制約で大学に通えない学生も、アバターで授業を受けて友達ができる。そんなことができるかもしれません。


藤本: リアルな世界とサイバー空間がどんどん融合していくだろうというのは、安田先生のおっしゃる通りだと思います。
実際、メタバース空間で生涯学習が検討できるか江別市への提案を予定しています。今の時代、社会が多様性を認めつつある一方で、周囲の目を気にする人が多くなりました。そういう中、アバターが、自分の生身のいろんなコンプレックスや悩み、障害などを抱える人の分身として、そのコンプレックスを表に出すことなくコミュニケーションを取り活躍できる可能性も広がりそうですね。
情報大のゼミは、入ってから大きく伸びる
藤本: 藤本ゼミは対外的な活動が多いゼミですが、学生はみんな最初からアクティブで陽気で活動的なメンバーばかりとも限りません。消極的で人見知りだからこそ、鍛えるためにゼミに入ってくる学生もいます。2年間場数を踏むことで、積極的に自分の意見を分かりやすく伝えられるようになり、大きく伸びる学生が多い気がします。
安田:ゼミの募集の時に「自分を変えたい人はおいで」と学生には伝えています。情報メディア学科は3年生からゼミが始まりますが、このタイミングで「今までの自分を変えなきゃ」と思う学生は、意識が変わるとともにスキルも大きく成長しますね。
藤本: やる気のスイッチが入ったときに、ガーッと頑張れるんですね。
安田: 在学中にとどまらず、卒業してからも伸びませんか?
藤本: 卒業生に会うと、いつの間にこんな大人っぽい判断力と視野で仕事をしているんだ、と驚くことがあります。情報大は民間企業出身の教員・研究者が多いので、社会人になってから活躍できるような環境づくりには、時間とエネルギーを掛けています。
安田: 情報大を卒業して、道外・道内、比較的いい企業で活躍している学生は多くいますよ。転職してキャリアアップしていく学生も、案外多いですね。
高校生の方に向けてメッセージ
藤本: 情報大に来れば、世の中で役に立つ、必要とされる人材に必ず育ちますし、楽しいからぜひここで学んでみませんか。
安田: 情報大と聞くと、技術系の勉強ばかりしている大学と思われるかもしれませんが、それだけではありません。友達と会ったり、さまざまな体験を積む場です。ぜひ技術というところに縛られず、学生生活を楽しんでほしいと思います。
藤本: 来てくれれば絶対損はさせない自信はあるんですよ。
安田: 本当に楽しいしね。絶対成長していきます。
※所属・役職などはインタビュー当時の情報となります。